日本武道学会の研究発表の中には、居合の歴史に関する研究内容が数多く報告されています。その中に、江戸田宮流(窪田派田宮流)として有名な窪田清音公の修行内容に関する論文がありました。
江戸田宮流は、竹刀稽古が主流となる中、実戦的剣術修行上での「形」の重要性を強く主張する流派であったとされています。窪田清音公は、武士としての武芸修練は「心を猛くして気を養い」、「筋に骨に太く強く」するような修練で、しかも実戦的なものでなければならないと説いていたようです。
正しい形を習得する方法の一つとしてとして、田宮流窪田派においては、刃渡り3尺以上の長大な刃引居合練習刀を用いた稽古があります。長大な刃引居合練習刀を用いて修練を重ねることで自在に刀を抜き放つことができるようになったといいます。窪田清音公の主張は、長大な刃引居合練習刀による修練より培われた自信に裏付けられていたといわれています。

肖像画や鍛練法を踏まえ、筋骨隆々の体躯等を考え合わせると、窪田派田宮流は、非常に鍛練的な修練傾向を有した流派であったと考えられているようです。

 

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