指導内容

 詩吟に合わせて刀を抜きます。吟者、舞者ともに袴をつけ、舞者は刀だけでなく、扇を持って舞い、詩の情緒を表現します。一八五四‐六〇頃、江戸昌平黌の学生が酔いに乗じて詩を吟じて舞ったのが始まりといわれています。

 明治初期には日比野雷風氏が「剣術」「居合術」「柔術」「空手」「日本舞踊」の要素を取り入れ「剣舞」の型にして系統的にまとめ上げて整理し「神刀流」を興しました。当時、 日清・日露戦争の富国強兵政策の影響下で隆盛をきわめたといわれています。詩吟だけでなく、琴や笛のような和楽器、ヴァイオリンやフルートのような洋楽器の節にあわせたものもありました。

 大正初期にかけてはこれに演劇的要素を加えた改良剣舞や娘剣舞が行われ、興業として人気を博しました。

 田宮流第十四代目宗家妻木正鱗元信先生は神刀流 剣舞を学び奥義免許を得て、これに伝来の田宮流剣法に加味して神刀夢想田宮流剣舞(心剣放光流)を確立しました。

 田宮流では、居合、剣舞、詩吟は三位一体と考えております。元祥館では、通常の剣舞だけでなく、居合をベースとした抜き付け、切り下ろしを魅せる剣舞を稽古しています。

 吟に合わせて演舞することで、居合の技を抜く際の体の動きを柔らかくしたり、状況に合わせた間の取り方等も勉強できます。 

 

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